干し芋タツマの商品一覧

2013年2月の“お宝ほしいも”

タツマ有機農園の初の有機干し芋です。特別に育ったいずみ種の有機いずみ角切り芋をお届けします。

今までは角切り芋にできるまで育たなかった有機いずみサツマイモですが、タツマが手掛けている有機農業で初めてそれに適した有機いずみが育ちました。

様々な制約が有機農業にはあります。
けれどこれは現代の農業から見た場合ということです。
農産物が育つためには、太陽と水はもちろん不可欠ですが、育つための肥料と育つのを妨げるものを除く、この2点から成り立っているのが現在の農業です。

育つために化学肥料を使うのですが、これが便利です。
その農産物にとって必要な成分だけを調合してあるからです。
しかも、農産物が吸収しやすいということまでお膳立てしてくれています。

妨げるものはたくさんあります。
代表的なのは、土壌にいる農産物にとって敵になる病害虫、そして病害虫は土壌の上の世界にもいます。
そして雑草です。病害虫も雑草も農薬で片付けます。
これもそれぞれに特化したものが開発されていますから、適時適宜の使用で抜群の効果を発揮します。
有機農業をやっている者からみれば魔法です。

もちろん有機農業ではどちらも使用禁止です。
私も最初はこれらは制約だととらえていました。
けれど、根本的に現代の一般農業と有機農業は、農業というところだけが共通で、全くの別物ということからスタートしないと、一歩も前に進めないことがわかってきました。

農産物を肥料で育てるという考えも、病害虫を排除するという考えも、それを持っていては有機農業として確立していかないのです。
有機認証を取得するだけならば、『化学肥料の変わりに有機肥料を使う』『化学合成農薬に変わる有機認証で認められた天然由来の農薬を使う』ことで、有機農産物として生産することはできます。(これはこれで一般農業よりもかなりハードルが高いことです)
けれど、根本の解決にはならないのです。

タツマの有機農園でも有機肥料は使います。
けれど、それで育てるという感覚はありません。
そして、病害虫に関しては、健康な土壌の畑を作り、逞しいサツマイモを育てること=病害虫が少ない環境にすること(でもゼロにはできませんから)、病害虫にやられても育つ逞しいサツマイモを栽培すること。
その両方に挑むことで、真の有機干し芋ができると考えています。
除草も、畑から根こそぎ排除するのではなく、サツマイモが育つ範囲は確保するという考えです。
だいたいが、農薬を使わない限り、雑草をなしにすることはできません。

だからタツマが考えている有機農業は、化学肥料と農薬の代替を模索するのではなく、それらのことを制約とはとらえないところから始めます。
それは畑の環境を整えること、健康な種芋、苗、そしてサツマイモに育てることです。
それがかなり困難なのですが。

まだまだ威張れるほど、たくさんの有機干し芋を生産しているわけではありませんが、少しずつ確立されてきている自負はあります。
その一旦として、今月は『有機いずみ角切り芋』をお届けしました。

タツマの有機農業では、健康な土壌にした畑に、そこに適した品種を探し、育てるしかないと思っています。
自然に逆らうことは力ずくで化学肥料や農薬を使うことと同じだからです。

その中で有機干し芋に最も適しているのが『いずみ種』です。
今シーズンは、いずみ種をある程度大きく育てることができました。
まだひとつの畑で、たまたま上手く行ったに過ぎないかもしれませんが、初めていずみ種で角切り芋ができる大きさまで育てることができました。

タツマ有機農園の初の有機いずみ角切り芋です。
いずみ種ですから、美味しさは保証付きです。
そして、タツマの有機栽培と最も相性が良いいずみ干し芋ですから、ご期待ください。

2013年2月1日 株式会社タツマ 福井保久